たけがみじゅんこのちょっといい話

2023.10.03

伝言のゆくえ

皆様から寄せられたビジネスマナーと職場内コミュニケーションについての質問にお答えさせていただきます。今回は、伝言の仕方についてのご質問です。

【ご質問】
 お客様から私宛に「請求書の宛名の自社名が違う。後㈱でなく前㈱が正解なので、登録を直してほしい」と連絡がありました。その電話は、私の後輩が受け、外出中の私に部署のグループLINEで連絡したらしいのですが、私が見落としており、1ケ月後に先方から、「まだ直っていないです」と、今度は少しキレられた感じで電話がありました。後輩に言うと、詫びることもなく、「LINE見てなかったですか?」と後輩のほうが不機嫌な様子でした。後で見直すと確かに「○○会社様から株式会社は前に付くので、請求書を直してほしいと電話ありました」とLINEに入っていました。
何度も顔を合わせているのだから、直接言ってくれればいいのにと思いましたが、どのように指導をしたらよいでしょうか。

【回 答】
 伝言者になった時の仕事の完了は、名指し人がその用件を完了できた時であることを指導しましょう。

後輩の方にとって、仕事の目的は“LINEで、自分の知り得た情報を出すこと”だったのでしょう。また、指摘された時に自分の落ち度を感じたものの、失敗を認めたくないという気持ちが優先に働いたため、不機嫌になったのですね。
キャリアが浅いために、どうしてよいのか方法が分からず混乱すると、相手の非を付く言葉が先に出ることはよくあります。このような時は、具体的な方法を示してあげましょう。
①連絡、伝言する時は、事実を述べた後、自分はこのことに対しどう行動するかを付け加える
②LINEやメモにして貼った後でも、顔を見た時には口頭でも伝える
この2つがあると、仕事が前に進みます。
例えば①なら、「〇〇様から社名が違うと連絡ありました。私から請求書発行の△△さんに伝えておきましょうか?」と一文入れることです。
②なら、社内で会った時に「〇〇様から電話ありましたが、LINE見ていただけました?」と聞くことです。このことで、伝言もれはなく、社内の連携の良さも先方様に伝わります。
元来、仕事には“あなたの仕事、私の仕事”という区分けはありません。経験が浅く、知識が乏しくてできないことほど、そこに係わる方々の仕事の仕方を見て、自分事として積極的に係わっていく姿勢が、成長につながることも添えたいですね。

代表取締役社長 竹上順子

2023年10月