たけがみじゅんこのちょっといい話

2022.08.01

仕事のゴール

皆様から寄せたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は部下へのヒアリングについてのご質問です。

【ご質問】
会社での面談で、部下(係長)に来期の課長への昇進を伝えると、課長になりたくないと言われました。役職手当もプラスになると言っても「やっぱり今のままでいいです」と言います。理由は、課長になると責任が大きくなり、忙しくなるので、手当では見合わないとのことです。どのように言うと気持ちが向くのでしょうか。

【回答】
仕事のゴール、何に向けて仕事をするのか、本人の考えを聞き、課長としての仕事が1つのステップであることを理解させましょう。

一生懸命に仕事をしていても、先を見ないまま言われた通りのことを繰り返す毎日に、「今が一番大変」と思うのは、至極あたりまえのことです。その上に、別の重圧がかかるのか、と思うと気が重くなるのも無理はありません。
このような場合、ご本人が仕事をする上で目指すものが何であるのかを聴き取り、そのゴールに行きつくためのステップの一つが、「課長としての仕事」であることを伝えましょう。
例えば、仕事の目的が生活のためであれば、課長職を経て次の次長・部長職となれば、給料や手当も上がることを伝えます。自己成長を促したいのであれば、課長職でマネジメントの技術を磨くこと、技能を身につけるためであれば、役職者に見合う技術習得の勉強の機会も増え、会社からの投資も増えることを伝えます。
いづれにしても、課長はゴールではなく、その目的を達成するための過程であることと、会社は従業員が仕事を通じて達成しようとすることに後押しする用意があることを伝え、先のゴールを示してあげます。
「なぜ、うちの会社で仕事をしているの?」と問いかけ、本人が何を目指して仕事をしているのかを確認するところから始めてはいかがでしょうか。

代表取締役社長 竹上順子

2022年08月