たけがみじゅんこのちょっといい話

2022.07.03

会話の入力と発信

皆様から寄せたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回はお客様との会話についてのご質問です。

【ご質問】
お客様との打合せに後輩と出向いたり、オンラインで打合せをする機会が多くあります。後輩は、お客様の言われることを、「うん、うん」と相づちを打ちます。打合せを終えてから指摘をしますが、「そんな感じでしたっけ?」と自覚がないような返事をします。
先日はお客様の言われたことに「そんな子供だましみたいな」と言い、相手も気分を害されたようでした。本人は「当り前に皆さんが知っていることですね」と言いたかったようですが、無礼な言葉を言ってしまうこともあります。このような後輩には、どう指導したらよいでしょうか。一緒に打合せに行くとヒヤヒヤします。

【回答】
話しを自分に入力する時は、連続した“うん”で受けとめず、復唱や、“そうですね”と受けましょう

一生懸命に相手の言い分を聞こうとすると、その言葉をかみしめるあまり、自分へ言い聞かせる言葉の「うん、うん」が声に出てしまうことがあります。
若い世代のみならず、管理職の立場の方でも気持ちが入るとそうなってしまうことがあります。
ですが、相手からすると、自分の伝えたことを軽んじているかのように思え、いい気持ちはしないですね。
まず相手の考えを受けとめる時、「うん」と言う言葉は、自分自身への受けとめのサインで、相手に聞かせるものではありません。ですから返す時には、復唱の「~ですね」が、適しているのです。
そして、相手へ“聞いています”、“わかりました”のサインとして声を出す時には、「はい」と返しましょう。つまり、“うん”は、自分自身に向けた入力サイン。受けとめではありません。
後輩への伝え方は、入力を自分に対してする時は、“うん、うん”と無言で受けとめ、相手に受けとめたことを発信する時は、言葉に出して「はい」や「そうですね」、「〇〇ですね」などと復唱をする、と指導しましょう。また、無言の入力中は、相手の顔をしっかりと見て、うなづくことが前提です。メモを取ることに集中して、手元ばかりを見ての入力作業は、「うん、うん」と言ってしまうことより、更に自己都合重視の印象を伝えます。
貴重な打合せの時間は、相手が話しのしやすい投げかけと印象管理で、事実の情報入力と共に、相手の想いも、しっかりと入力していきたいですね。

代表取締役社長 竹上順子

2022年07月