たけがみじゅんこのちょっといい話
2024.06.03
コーチングの実践
【ご質問】
当社では働きやすい職場環境づくりを目指し、職場のよろず相談窓口としてESアップ窓口を設け、私はその担当者となりました。色々な相談が寄せられる中、入社3年目の女性社員A子さんから「上司のBさんの指導が厳しすぎる。毎日泣きながら仕事しています」と訴えがありました。Bさんはキャリア採用の社員で、A子さんへの指導をしていました。ところがA子さんは、「急に厳しくなった」と感じられたようで、毎日泣いていると私の所に駆け込まれました。そのため同じ職場のみんなにヒアリングしたところ、BさんはA子さんにだけ厳しいのではなく、周りに別け隔てのない指導をされているということや、今まで誰もA子さんを腫れ物に触るようにして、何も言えなかったのに、きっぱりと指導をしてくれてありがたいとの声が聞かれたのです。 確かにA子さんは創業者の親族で、入社時から皆が遠慮し、十分な指導をしないままで3年の月日が過ぎていました。そのためかA子さんは何かあると、すぐに誰かを頼り、人任せの様子に周囲も困っていたということも分かりました。
私は立場上、A子さんから涙の訴えを受けていますが、これは職場全体の士気や仕事の精度に係わるため、このままにはしておけず、どのように立ち回ればよいのでしょうか。
【回 答】
事実の受け止め、整理、期待される行動に繋げられるよう、コーチ役に徹しましょう。
当時者それぞれの考えをよく聞いて、自身で考えを整理できるようにまずは努めましょう。Aさんの仕事ぶりに周囲が困っていたことや、Aさん自身が気づいていないことは困ったことですが、今回のBさんの移動で、今まで行われてこなかったAさんへの指導が行われるようになり、これはAさんにとっても、良いことのようにも思えます。
しかし注意や指導をする際に、大勢の人がいるところで叱責したり、叱責しないまでにもAさんだけに指導の矛先が向くのは、良くありません。双方の考え、つまり言い分を聞くことが何より大切です。
まずA子さんはどのような指導で苦しくなるのかを、根気よく聞いて下さい。A子さんもあなたに繰り返し、自分の想いや、日頃のBさんとのやり取りの中のどの状況で悲しくなるのかを整理することができると、Bさんの指導が、自分に対する期待であったことに気づかれるはずです。
Bさんには、Bさんから見て未熟に感じるA子さんに対して、皆と同じく当たり前の指導を行っているように思えても、A子さんが仕事で自信を取り戻すまで、伝える場所やタイミングなど工夫をしてもらうように伝えます。A子さんにはこれから職場の要として成長していただくためにも、今までと異なりしっかりと指導をしていくことを、そしてBさんには今後みんなのお手本として職場をまとめるリーダーの資質を伸ばしてあげて下さい。
あなたの意見で説得をするというスタンスではなく、双方の考えを整理していくといった関わり方がいいですね。
当社では働きやすい職場環境づくりを目指し、職場のよろず相談窓口としてESアップ窓口を設け、私はその担当者となりました。色々な相談が寄せられる中、入社3年目の女性社員A子さんから「上司のBさんの指導が厳しすぎる。毎日泣きながら仕事しています」と訴えがありました。Bさんはキャリア採用の社員で、A子さんへの指導をしていました。ところがA子さんは、「急に厳しくなった」と感じられたようで、毎日泣いていると私の所に駆け込まれました。そのため同じ職場のみんなにヒアリングしたところ、BさんはA子さんにだけ厳しいのではなく、周りに別け隔てのない指導をされているということや、今まで誰もA子さんを腫れ物に触るようにして、何も言えなかったのに、きっぱりと指導をしてくれてありがたいとの声が聞かれたのです。 確かにA子さんは創業者の親族で、入社時から皆が遠慮し、十分な指導をしないままで3年の月日が過ぎていました。そのためかA子さんは何かあると、すぐに誰かを頼り、人任せの様子に周囲も困っていたということも分かりました。
私は立場上、A子さんから涙の訴えを受けていますが、これは職場全体の士気や仕事の精度に係わるため、このままにはしておけず、どのように立ち回ればよいのでしょうか。
【回 答】
事実の受け止め、整理、期待される行動に繋げられるよう、コーチ役に徹しましょう。
当時者それぞれの考えをよく聞いて、自身で考えを整理できるようにまずは努めましょう。Aさんの仕事ぶりに周囲が困っていたことや、Aさん自身が気づいていないことは困ったことですが、今回のBさんの移動で、今まで行われてこなかったAさんへの指導が行われるようになり、これはAさんにとっても、良いことのようにも思えます。
しかし注意や指導をする際に、大勢の人がいるところで叱責したり、叱責しないまでにもAさんだけに指導の矛先が向くのは、良くありません。双方の考え、つまり言い分を聞くことが何より大切です。
まずA子さんはどのような指導で苦しくなるのかを、根気よく聞いて下さい。A子さんもあなたに繰り返し、自分の想いや、日頃のBさんとのやり取りの中のどの状況で悲しくなるのかを整理することができると、Bさんの指導が、自分に対する期待であったことに気づかれるはずです。
Bさんには、Bさんから見て未熟に感じるA子さんに対して、皆と同じく当たり前の指導を行っているように思えても、A子さんが仕事で自信を取り戻すまで、伝える場所やタイミングなど工夫をしてもらうように伝えます。A子さんにはこれから職場の要として成長していただくためにも、今までと異なりしっかりと指導をしていくことを、そしてBさんには今後みんなのお手本として職場をまとめるリーダーの資質を伸ばしてあげて下さい。
あなたの意見で説得をするというスタンスではなく、双方の考えを整理していくといった関わり方がいいですね。
代表取締役社長 竹上順子
2024年06月