たけがみじゅんこのちょっといい話
2024.01.04
お茶のいただき方
【ご質問】
コロナ明けと言われるようになってから、訪問するとお茶を出していただく機会も増えてきました。日本茶を、蓋付の茶器で出していただくことがあります。同行している上司の所作を見ながら真似していただくのですが、正しいいただき方を知らないので、先方様から見ると二人で無作法なことをしているのではないかと思ったりします。上司は、蓋を開け、しずくを切ってからそのまま平行移動して、茶たくの横に軽くひっかけて斜めに添わせています。上司に聞くと、「上向きにして置くと取っ手のところが不安定でグラグラ揺れるから」と言います。合っているのでしょうか。
【回 答】
蓋を開け、しずくを茶碗に落としてから、内側を仰向けにし、茶たくの端に軽く挟み、いただきます。
蓋付の茶器で出されるということは、先方様のおもてなしの度合いも高い場面ですので、そのお気持ちを受け取るという意味で、正しい所作でいただきたいですね。
まず、右手で取っ手を持ち、蓋を持ち上げ、そのまま茶碗に対して直角にし、蓋の内側に付いているしずくを茶碗の中に落とします。蓋を縦にすると自然に落ちるので、振らないように静かに落とします。その蓋に左手を添えながら上向き(蓋の内側が上になるよう)にし、揺れないよう、茶たくの端とテーブルの間に軽く咬みこませます。そして、片手で茶碗を持ち上げた後は、反対の手を茶碗に添えて、いただきます。
いただくタイミングは、先方様が「どうぞ」と言われてからです。上司や先輩と同行している場合は、上司・先輩が召し上がってから、自分もいただきます。
辞去の際には、元の蓋がしてある状態に戻しますが、その時も蓋を持つ右手に、左手を添えながら両手で丁寧に扱う動作で行います。お茶でもてなしてくださった相手の方に、「自分の口に合わなかった」とする印象を残さないよう、飲み残しがないようにいただき、おもてなしに感謝しましょう。
代表取締役社長 竹上順子
2024年01月