たけがみじゅんこのちょっといい話

2023.09.01

保留時間

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は電話応対での保留時間についてのご質問です。

【ご質問】
電話応対で、一旦保留にして名指し人を呼ぶ時、「少々お待ちください」と言います。この“少々”とは、どのくらいの時間と思っていてよいでしょうか。
当社の場合、現場と事務所を行き来している者もあり、“少々”が3分くらいになることもあります。社内で後輩に指導をする時、どのくらいならこのままお待ちいただき、長くなるなら折り返すというおおよその時間を伝えて指導をしたいのですが、時間の目途はあるのでしょうか。

【回答】
電話応対で“少々お待ちください”は、おおよそ1分間を限度とする応対をします。

 電話応対の慣用句として「少々お待ちくださいませ」のフレーズは頻繁に使いますね。待たされる側となって考えてみましょう。いつ電話口に出て来られるか、ずっと集中し、話す内容を整理・確認しながら待つことができる限度は、おおよそ1分間です。これ以上の時間を待っていると、伝えたい内容のほかに「忙しいのかな?」「今の時間じゃないほうが良かったかな」など、本題以外の色々な方向へ考えが及び、待つ時間が非効率な時間に思えてきます。結果、電話口で話しができる状態になった時には、少しのマイナスの感情も生まれていて、そこからの気持ちの立て直しも要ることになります。
 そういった相手方のことを考えると、1分以上になると思える時は、折り返し電話するほうが、敬意ある対応です。
 そして、お待たせする時間が長くなることが明らかな場合は、取り次ぐ前に「○○は現場におり、2~3分程度お待たせすることになりますので、折り返しこちらからお電話致しましょうか」と状況とおおよその時間を伝え、先方の判断を待ちます。先方が、それでも待つと言われたら、2分をめどに名指し人が電話口に出ることができたかどうか、電話機を見て確認し、まだ出ていないなら、再度自分が「申し訳ありません。もう少し時間がかかりそうですので、やはりこちらからお電話させていただきます」と対応しましょう。
 お電話された方と名指し人が気持ちよく会話ができ、話す内容が短時間でまとまるためのサポートが電話に出る者の役割と受けとめ、気働きをしていきましょう。

代表取締役社長 竹上順子

2023年09月