たけがみじゅんこのちょっといい話

2020.11.01

へりくだり過ぎる言葉づかい

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回はメール文についてのご質問です。

【ご質問】
メールでお願いやお断りをするケースもあるのですが、使う言葉はどの程度へりくだった言い方をするのがよいのかに悩むことがあります。私のところへ届く文面では、アポイント取りで「ご都合をご教示くださいませ」や、ご挨拶したい意向を「社長のご尊顔を拝顔し賜りたく」といった堅い言葉にして送られてくることがあります。些細なことでも大げさに言われると、仰々しさが出てきて少しの違和感を覚えることもあります。先方との間柄などを踏まえ、使い分けがありましたら、教えてください。

【回 答】
メール文をやり取りする方との親しさと敬意の度合いを踏まえて、使い分けをします。

ビジネスメールは、相手への敬意を示しながら、伝えたいことを端的な言葉でまとめていきますので、短文でもより印象が鮮烈に伝わります。
「ご教示くださいませ」「ご尊顔を」といった言葉に違和感があるのは、敬意表現でのへりくだりが強すぎて自分(自社)の分不相応に思えたり、そのメールを送っていらした先方様の雰囲気と文面が合わないと思われたからではないでしょうか。仲良くさせていただいているのに、メール文が急に改まると距離が遠くなったように思え、少しの寂しさのようなものを感じます。また「ご教示くださいませ」などと改まって言われると、何かしら目線の高さも感じさせてしまいます。
もし、これらの言葉を使われて違和感があると思われるのなら、相手への敬意は踏まえた上で、仰々しさを抑えた敬語使いにされてみてはいかがですか。
例えば、ご教示を「お教えください」とし、続けて「よろしくお願い致します」とされると、仰々しくもなく、そっけなくもなく、相手に対する敬意も十分伝わります。
敬語や丁寧な言い回し表現を使う目的は、相手への敬意ですから、相手の方から日頃いただいている文章を読みながら、“自分は違和感を持った”ではなく、“相手にとってそれが快適”という表現に工夫することが大切です。
日頃のお付き合いや相手の方からいただくメール文章などを基準として、敬語表現も工夫してくださいね。

代表取締役社長 竹上順子

2020年11月