たけがみじゅんこのちょっといい話

2019.03.01

はやりの言葉づかい

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は、よく聞く言葉づかいについてのご質問です。
【ご質問】
再就職先での言葉遣いについて質問です。「大丈夫です」というのは、心配する時に使う言葉ではないのでしょうか。私の職場では、私が「お茶をいれましょうか」と尋ねると、みんなが「大丈夫です」と言います。昨日は冷凍パスタを温めて食べていた同僚は、「このパスタ、マジやばい」と言っていました。これはとても美味しいという意味のことを、強調するとこういう言い方になるのだということが雰囲気から伝わってきました。言葉づかいは時代に沿って変化をしていくと言われていますが、このような使い方は良いのでしょうか。私は違和感があり仕事をしていても気になって仕方ないのですが、テレビのキャスターの方も「こちらが話題の温泉になります」といっているくらいですから・・・どうなのでしょうか。

【回 答】
「正しい言葉づかいの受け答えを習慣化し、対外的な応対の思わぬところで社の印象を下げないようにしましょう」

おっしゃるように、間違った言葉づかいを聞くことが多くなりました。「大丈夫です」は、本来、相手の身体や状況を気遣う・労わる言葉として「大丈夫ですか」と投げかけます。多く聞くのは“結構です”という断わりの言葉の意味で使われる“大丈夫です”です。“結構です”を、使い慣れない固い言葉として認識されている方々が使われるようです。正しくは「結構でございます」や「ありがとうございます」と、一旦相手の気持ちを受けとめてから返す言葉を使います。「お気遣いいただかなくて大丈夫です」という意味合いを短く告げるケースなのでしょうが、前段の「お気遣いいただかなくて」を省くことで、何が大丈夫なのかを、言われたほうが察するという状況になってしまうことが殺伐とした印象を与えます。
また、「このパスタ、マジやばい」は、友達同士で楽しむ空間では、美味しさの最上級を示す共通用語として分かりやすいですが、ビジネスの場合は、とんでもないことが起きたという仲間内の言葉です。
言葉あそびで気持ちをリラックスしてその場を楽しむ空間と、お客様に対する敬意を示す仕事の空間では使う言葉を区分けできることが、社会人としての言葉づかいの基本です。慣れ親しんだ言葉は、とっさに表に出ていますので、普段からの正しい言葉づかいの習慣化は大切です。
これから春の新入社員が入って来られる前の今の時季に、先輩たちも、今の自分たちの言葉を真似されてよいかどうか考えられる機会にされるといいですね。

代表取締役社長 竹上順子

2019年03月