たけがみじゅんこのちょっといい話

2017.12.01

コートを脱いだ後の扱い方

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は、他社訪問時のコートの扱い方についてのご質問です。

【ご質問】
今の寒い時季、コートを来てお客様先(企業)を訪問し、玄関先やロビーで脱ぐのですが、そのコートは、どう扱ったらよいのでしょうか。
他の方を見ていると、カバンの取っ手に通して歩く方や、小脇に挟んでいる方などあります。
また、裏にくるっとひっくり返している方も見たことがあります。どれが正解なのでしょうか。

【回 答】
「コートは表地を中に折り込み、カバンを持つ手と反対側の腕にひっかけて、胸の下あたりで水平に掲げ持ちます」
冬の時季、コートなどの羽織るものは防寒の上では必須ですね。同時に、羽織ものには、雨風の汚れやほこりを身体に付けたまま、部屋に入らないようにするという意味合いもあります。ですから、玄関先やロビーで、コートや帽子などは、全て脱いでから部屋へ入ります。
この時のコート類の扱い方ですが、ほこりや汚れが付いている前提の表地は中に折り込み、裏地(先ほどまで身体に触れていた側)を表に出して持ちます。こうすると、外気にさらされていないきれいな面が表に出てきます。この状態で、カバンを持つ側と反対の手で、胸位置の下で持ち、歩きます。マフラーなどは、コートの内側に一緒に折り込むと落ちる心配もありません。
(コートの裏地に華やかな色合いやブランドのマークがデザインされているのは、この訪問時の“見せる”扱いを前提にしているためです)
そして、席に案内され座る時には、コート掛けを勧められるまでは、裏地が外になっている状態のまま折りたたんで自分の席の脇や後ろに置きます。置き場がない場合は、自分の膝の上に置いてもよいですが、ひざ掛け代わりに広げて使うことのないようにしましょう。ひざ掛け代わりにすると、この部屋が寒いと言っているのと同じで、先方様の気遣いのなさを指摘しているかのように思われるので避けましょう。
寒い時季ならではのマナーです。この小さな気配りも大切にしていきたいですね。もちろん、ビジネス場面以外の訪問時にも使うマナーです。

代表取締役社長 竹上順子

2017年12月