たけがみじゅんこのちょっといい話

2017.09.01

松花堂弁当のいただき方は?

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は、お弁当をいただく時のご質問です。

【ご質問】
「取引先との、昼食を取りながらの打ち合わせで、松花堂弁当をいただきました。最初にご飯に添えてあった漬物をガリッと食べると、上司にちらっと見られ、あとで「先に漬物食べるんじゃない」と言われました。弁当で、食べる順ってあるのでしょうか」

【回 答】
 「最初にお吸い物→主食であるごはん→おかず」の順でいただきます。」
弁当は、料理が次々に運ばれてくる会席膳を、持ち運びできるようにひとまとめにしたもので、簡略化したものでありながら、おもてなしの気持ちはそのまま残っているものですので、いただき方のマナーがあります。
漬物ですが、そもそも漬物は仏教の僧侶がいただく精進料理で、食事の最後に器にお茶を入れ、沢庵でご飯粒が残らないようにきれいにして、最後にそのお茶をゴクッといただく、言わばお掃除用の食べ物でした。ですので、最初に食べてしまうと本来の役割を成さなくなってしまうのです。最初に食べないというのも、その名残ですね。
順番で言うと、
①お吸い物・・・いただくお弁当の前菜的な役割で、箸の先を少し付けていただくこと
 で、その後のご飯が箸に付きにくくなります。
②ご飯・・・お弁当の中の主役です。
③おかず・・・季節や旬を感じることで、おもてなしの心をいただきます。

また、おかずは、手前側からいただくと、味付けの薄いものから順になっていますので、きれいに盛り付けられたものを倒したり、乱すことなくきれいにいただけます。
その他、食べている時には、口を大きく開けて話すことを避け、弁当の器の中で、一口大に切ってから口に運び、いつ話かけられてもいいように、口の中が料理でいっぱいになってモゴモゴしないようにしましょう。食事がメインではなく、打ち合わせがメインです。
そして、先方の食事のペースと合せましょう。自分一人が早く食べ終わったり、全員終わっているのに、自分だけが遅く、他の方が待っている、といったことのないようにします。
弁当ひとつでも成り立ちや意味を考えると、大きく外れた行動にはなりません。お弁当などは、いざと言うときのために、自分ひとりでも食べ方は練習しておくとよいかもしれませんね。

代表取締役社長 竹上順子

2017年09月