たけがみじゅんこのちょっといい話

2016.10.07

たけがみじゅんこのちょっといい話:保活

10月・・・スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋、そして小さなお子さんのいる家庭では、保活の秋でもあります。保活とは、子供を預ける為の保育園・保育所を探す活動のことで、来年度の入所・入園に向けて、届出の締切が11月であることが多く、その活動が佳境となるのが9~10月です。
当社にも保活中のスタッフがいますが、小さなお子さんを抱える家庭では、お母さんが職場復帰できるか否かの大きな岐路に立たされることになります。スタッフから時折入ってくるメールに、「今日は〇〇の保育園に行って話しを聞いてきました」「明日は、2件まわり、イベントにも参加してきます」などと書き込まれ、その精力的な活動にエールを送っているところです。
入所・入園の施設が自宅や職場に近いかは基より、何時まで預かってくれるのか、延長保育の費用はいくらか、子供が安全に楽しく通える環境か、衛生面はどうか、など、公立・私立を問わず、お母さんたちは情報集めや視察、体験入園などに必死です。
選ぶことのできる余地がある場合はよいのですが、通える地域に保活できる施設も少なく、競争率も高いというケースも多くあります。いわゆる待機児童問題です。保育園建設が地域住民の「園児の声が騒音」「送迎の車が危ない」などの訴えから、受け入れてもらえないとか、案件が頓挫するなど、幾度となく耳にしました。仕事に就けるお母さんが増えれば、会社の力も高まり、それは結果地域にも還元できることになります。また、仕事で力を蓄えたお母さんたちは受け入れてくれた地域に心から感謝し、別の形で恩返しをしようとする・・・といった構図になるはずですが、目先のマイナス状況が想像の中で大きく膨らみ、なかなか理解が行きつかないこともあるようです。
ただ、保活中のお母さんたちは、何と言ってもバイタリティがあります。小さな子の手を引き、時にはだっこをせがまれながら、何件も保育園をハシゴしたり、園の評判を関係者に収集したりと、この力は元々の仕事の中で培われたものなのだわと感心します。だからなおさら、仕事の中でまた開花させてほしいと心から願わずにはいられません。
スタッフも言っていました「家で親がずっと面倒をみるのも育児のひとつですけど、子供が他人と関わって、自分が思うようにいかないこともあるということを、保育園の中で学んでほしいんです。親の考え方だけの家の中から抜け出すことも必要ですよね」と。その言葉を聞いてびっくり。なぜなら彼女は、子供が思うようにならないという苛立ちが重なり、育児ノイローゼに陥っていた時期があったからです。育児の中で芽生えた自分以外の人の幸せを願うという発想が、彼女を成長させたのでしょう。
本来の真面目さと力強さを保活でフル回転し、笑顔で仕事に戻ってきてくれることを心待ちにしているところです。

代表取締役社長 竹上順子

2016年10月