たけがみじゅんこのちょっといい話
2016.09.02
たけがみじゅんこのちょっといい話:ブラインドサッカー
暑い夏を一層熱く盛り上げてくれたリオデジャネイロオリンピックが終わり、次はパラリンピックが始まりました。その競技の中で今、注目を集め競技人口を増やしている種目に、ブラインドサッカーがあります。
このサッカーは、アイマスクを着け、動くと音のするボールで行うもので、障害者・健常者の区分けなく参加できるということから、人気を高めています。敵陣ゴールの裏にいるチームメンバーの“ガイド”の声に耳を澄まし、走り出す時には、合図の声を発して進みます。フィールドを走る姿はとてもアイマスクを付けているとは思えないほどの俊敏な動きです。
誰でも参加できる競技ですが、目に障害がある方のほうが上達が早いと言います。耳からの情報とガイドやベンチとの信頼関係なしには、進められないこの競技、今ある機能をどう使い集中力を高めるかという切り替えが大切な要素のようです。
先日、中堅社員研修で、1人1枚模造紙にマジックで自分の考えを書いて発表をする、という場面がありました。模造紙1枚は、会議テーブル上でははみ出る大きさでしたので、2つのテーブルをつなぎ、互い違いの方向から書き始めるペアや、書けるスペースがないと譲り合って順番を待つ方など、その方法は様々でした。ただし、時間制限もあるため、待っていては仕上がらない状況の中、立ち往生している受講者はクラスの約半数10名いました。
そんな中、ひとりの受講生は、自分の模造紙を持ったまま教室の一番後ろへ移動し、新聞紙を床に大きく広げて、腕まくりをし、靴を脱いで書き始めました。「これなら広々と使えるぞ」と言いながら急ピッチで書き始めています。確かに、“机の上以外で書いてはいけない”とは言っていません。
それを見た、立ち往生組は、「なるほど!」と言わんばかりに、同じように新聞を広げ、靴を脱いで床に四つん這いになり、突っ伏した体勢で書き始めたのでした。どうしたら時間内に仕上がりよく完成できるかと考えた工夫です。更にそれを見たテーブル上で書き始めていた男性受講者の中から、立ち往生組みのスカート姿の女性受講者に、「自分、あっちで書くから」と、場所を代わってあげる光景も見られました。
こうして模造紙記入の指示から5分後には、全員が記入できる体勢に入り、それぞれの場所で集中して作業に取り組むことができたのでした。
前向きな発想は周りに良い影響を及ぼし、その気持ちは無言のうちにも行動で伝わり、
チーム全体のまとまりの良さとなって成果を出すものなのだと思った出来事でした。
「できない、困った」から「どうしたらできるか」と、今の状況でできる方法を考えることが集中力と良い仕上がりを生むのですね。
このサッカーは、アイマスクを着け、動くと音のするボールで行うもので、障害者・健常者の区分けなく参加できるということから、人気を高めています。敵陣ゴールの裏にいるチームメンバーの“ガイド”の声に耳を澄まし、走り出す時には、合図の声を発して進みます。フィールドを走る姿はとてもアイマスクを付けているとは思えないほどの俊敏な動きです。
誰でも参加できる競技ですが、目に障害がある方のほうが上達が早いと言います。耳からの情報とガイドやベンチとの信頼関係なしには、進められないこの競技、今ある機能をどう使い集中力を高めるかという切り替えが大切な要素のようです。
先日、中堅社員研修で、1人1枚模造紙にマジックで自分の考えを書いて発表をする、という場面がありました。模造紙1枚は、会議テーブル上でははみ出る大きさでしたので、2つのテーブルをつなぎ、互い違いの方向から書き始めるペアや、書けるスペースがないと譲り合って順番を待つ方など、その方法は様々でした。ただし、時間制限もあるため、待っていては仕上がらない状況の中、立ち往生している受講者はクラスの約半数10名いました。
そんな中、ひとりの受講生は、自分の模造紙を持ったまま教室の一番後ろへ移動し、新聞紙を床に大きく広げて、腕まくりをし、靴を脱いで書き始めました。「これなら広々と使えるぞ」と言いながら急ピッチで書き始めています。確かに、“机の上以外で書いてはいけない”とは言っていません。
それを見た、立ち往生組は、「なるほど!」と言わんばかりに、同じように新聞を広げ、靴を脱いで床に四つん這いになり、突っ伏した体勢で書き始めたのでした。どうしたら時間内に仕上がりよく完成できるかと考えた工夫です。更にそれを見たテーブル上で書き始めていた男性受講者の中から、立ち往生組みのスカート姿の女性受講者に、「自分、あっちで書くから」と、場所を代わってあげる光景も見られました。
こうして模造紙記入の指示から5分後には、全員が記入できる体勢に入り、それぞれの場所で集中して作業に取り組むことができたのでした。
前向きな発想は周りに良い影響を及ぼし、その気持ちは無言のうちにも行動で伝わり、
チーム全体のまとまりの良さとなって成果を出すものなのだと思った出来事でした。
「できない、困った」から「どうしたらできるか」と、今の状況でできる方法を考えることが集中力と良い仕上がりを生むのですね。
代表取締役社長 竹上順子
2016年09月