たけがみじゅんこのちょっといい話

2016.03.03

たけがみじゅんこのちょっといい話:女子力

書店で並んでいる女性向け雑誌の表紙を見ると、“オフィスの女子力どう発揮する?”とか“人を動かす気配り女子力あなたは何点?”といったキャッチコピーを目にします。少し前のファッション誌では“女子力アップのまつげの盛り方”といった外見を華やかにする意味で使われていた“女子力”が、今では内面、それも女性ならではのしなやかな行動力という意味合いに変わってきているようです。折しも今、NHK連続ドラマ「あさが来た」のヒロインのモデル広岡浅子さんが、ブームになっているのも、この内面の女子力の高さからなのでしょう。
最近の研修の中でも、男子力より女子力が圧倒的に勝っています。研修を実施する講師から聞くと、全体をリードする力として女性の力強さが際立ってきたと言います。新人研修でのグループワークでは、18歳の新入社員が大学院卒の24歳の男性に「〇〇さんさあ、もっと大きな声で言わないと聞こえないですよ」とハキハキした口調で諭したり、中堅社員研修では「○○さん、(男性に)誉めてくれるのはうれしいけど、改善点がないなんてあり得ないから、遠慮せずに、直すところをちゃんと教えて」と、コメントにコメントするなど、ワーク全体を引き締めてくれます。行う目的と、自分と相手のキャラクターを踏まえ、ここまでなら言ってもいいということも見極めて言っています。
言われた男性は、ダメ出し直後は少ししょんぼりした顔になりますが、女子たちは上乗せして「でも○○さんは、私がこんなこと言ってもちゃんと受けとめてくれるもんね、それってすごいよね」など、すかさずフォローを入れ、男性は照れくさそうにしながらも、一層ワークに真剣になります。お見事です。
更に講師に言わせると、その内面女子力全開の女子たちに共通しているのは、身だしなみや姿勢が整っている、つまり外見の女子力も高いということです。髪の毛はきりっと結び、メイク全体は控えめながらも眉はキリリと引く。口紅もテカらない落ち着いたタイプ。椅子に座るのに脚を組んだり背中を丸めたりなど一切ありません。
心は身体に現れると言いますが、内面系女子力の高い“あねご”は、外見系女子力も連動して高いというのがビジネス現場での状況のようです。
各職場で新入社員を迎えるこれからの時季、早く仕事を覚えよう・馴染んでいこうと意欲が高い分、身だしなみもきっちり整えてやってきます。その受け皿の私たちの身だしなみが、相手の高い意欲を受けとめることができる状態なのかを少しだけ考え、せめて入社後1ケ月間は整えておきたいものです。

代表取締役社長 竹上順子

2016年03月