たけがみじゅんこのちょっといい話
2014.03.04
たけがみじゅんこのちょっといい話:もてなす心を届ける工夫
3月の始め、感動的なレジでの応対を受けました。
いつもなら感情のこもらない「またお越しくださいませぇぇ」で送られるレジが、その日は「今日はお寒いですから、どうぞお風邪などひかれませんように・・・」と送ってもらったのです。
知り合いならいざ知らず、一般客として訪れた場所でこのような見送りの言葉をかけられるのはありませんし、私の記憶でも「お身体お大事に」的な言葉で送られる場所は、病院の窓口くらいしかありません。スーパーのレジという場と、その担当の女性から発っせられた言葉の意外性に私はただ驚き、ありがとうの“あ”の声も出せませんでした。
レ ジでは1に正確、2にスピード、3にオペレーションという考えが一般的です。正確に言えば親切さも当然望んでいますが、次々と買い物かごの中の商品をさばく彼らたちは大変忙しそうで、いろいろ望むのは気の毒なのです。ですからまずは間違ない金額の入力と、テキパキとした商品詰め、相互の流れの確認は接客用語で行うといった最低限のことをばらつきなく行ってもらえることを望んでいました。ところがこのスーパーはまったく違いました。
そして当たり前のことですが、彼女は誰にでも同じ言葉を繰り返しているわけではありません。ちなみに私の前の男性には、「雨の中、ありがとうございました」と言っていましたし、赤ちゃんにはバイバイと手を振っていました。
また他のメンバーもその時々で「ありがとうございます」に続く言葉を変えており、その使い分け基準は不確かですが、確実にオペレーション教育の中に“ありがとうございます+自己表現”というが考えが組み込まれ、徹底されているようです。私の観察では6台あるレジの中で、不慣れな従業員は「またお越しくださいませ」を多く使い、レジスピードの速い従業員は独自の言葉を使っているようでした。
さて仕事では、1に正確、2にスピード、3に作業を円滑にするためのオペレーションといった基本の徹底は不可欠ですが、それ自体が目指す仕事のゴールではありません。あくまでも基本は基本であって、それだけで良い仕事になるわけはなく、間違いの少ない仕事の完成にしかすぎません。何事も基本を踏まえ、そこに実施者の経験から生まれる創意工夫が加わって良い仕事になるのです。
今回のレジオペレーションもレジの基本に加え、個々の工夫というひと手間が入ることでサービスとして成立しました。何しろ、他では受け取ることのできない自分ひとりに向けられた特別な言葉を受け取り、個々がおもてなしの想いを満たしているのですから・・・。
みんなで決めたこと(今回であれば見送りのあいさつには続けて自分の想いを言葉で伝える)を、みんなで実践し、その決めごとはHOW-TOにとらわれない。そんな組織力が従業員の士気につながり、お客様を引き付ける魅力になっているのだと思います。事実このスーパーは従業員の接客だけではなく、野菜も新鮮で、パリッとしたよそいき顔で並んでいました。
すっかりファンとなった私はもちろん翌日も同じスーパーに出かけました。そして昨日の「お風邪など~」の女性に、今度は「ただいま店頭でひな祭りの催事を行っております。よろしければお立ち寄りくださいませ」と教えてもらいました。やっぱり昨日と違う一言だった・・・そんな確信を得て、また行こうと強く思ったのです。
いつもなら感情のこもらない「またお越しくださいませぇぇ」で送られるレジが、その日は「今日はお寒いですから、どうぞお風邪などひかれませんように・・・」と送ってもらったのです。
知り合いならいざ知らず、一般客として訪れた場所でこのような見送りの言葉をかけられるのはありませんし、私の記憶でも「お身体お大事に」的な言葉で送られる場所は、病院の窓口くらいしかありません。スーパーのレジという場と、その担当の女性から発っせられた言葉の意外性に私はただ驚き、ありがとうの“あ”の声も出せませんでした。
レ ジでは1に正確、2にスピード、3にオペレーションという考えが一般的です。正確に言えば親切さも当然望んでいますが、次々と買い物かごの中の商品をさばく彼らたちは大変忙しそうで、いろいろ望むのは気の毒なのです。ですからまずは間違ない金額の入力と、テキパキとした商品詰め、相互の流れの確認は接客用語で行うといった最低限のことをばらつきなく行ってもらえることを望んでいました。ところがこのスーパーはまったく違いました。
そして当たり前のことですが、彼女は誰にでも同じ言葉を繰り返しているわけではありません。ちなみに私の前の男性には、「雨の中、ありがとうございました」と言っていましたし、赤ちゃんにはバイバイと手を振っていました。
また他のメンバーもその時々で「ありがとうございます」に続く言葉を変えており、その使い分け基準は不確かですが、確実にオペレーション教育の中に“ありがとうございます+自己表現”というが考えが組み込まれ、徹底されているようです。私の観察では6台あるレジの中で、不慣れな従業員は「またお越しくださいませ」を多く使い、レジスピードの速い従業員は独自の言葉を使っているようでした。
さて仕事では、1に正確、2にスピード、3に作業を円滑にするためのオペレーションといった基本の徹底は不可欠ですが、それ自体が目指す仕事のゴールではありません。あくまでも基本は基本であって、それだけで良い仕事になるわけはなく、間違いの少ない仕事の完成にしかすぎません。何事も基本を踏まえ、そこに実施者の経験から生まれる創意工夫が加わって良い仕事になるのです。
今回のレジオペレーションもレジの基本に加え、個々の工夫というひと手間が入ることでサービスとして成立しました。何しろ、他では受け取ることのできない自分ひとりに向けられた特別な言葉を受け取り、個々がおもてなしの想いを満たしているのですから・・・。
みんなで決めたこと(今回であれば見送りのあいさつには続けて自分の想いを言葉で伝える)を、みんなで実践し、その決めごとはHOW-TOにとらわれない。そんな組織力が従業員の士気につながり、お客様を引き付ける魅力になっているのだと思います。事実このスーパーは従業員の接客だけではなく、野菜も新鮮で、パリッとしたよそいき顔で並んでいました。
すっかりファンとなった私はもちろん翌日も同じスーパーに出かけました。そして昨日の「お風邪など~」の女性に、今度は「ただいま店頭でひな祭りの催事を行っております。よろしければお立ち寄りくださいませ」と教えてもらいました。やっぱり昨日と違う一言だった・・・そんな確信を得て、また行こうと強く思ったのです。
代表取締役社長 竹上順子
2014年03月