たけがみじゅんこのちょっといい話

2012.10.03

たけがみじゅんこのちょっといい話:仕事と子育て・・ツワモノの発想

正規、非正規は別として、仕事を持つ女性が多くなりました。社会環境の変化も後押しをし、昭和の頃の“子どもが産まれたら一旦社会から離れ、子育てが落ち着いたら社会に戻る”というライフスタイルは、年々と減少しているように思います。
 とはいえやはり子育てと仕事の両立は、生産性を重視する現場の中では相当に厳しく、円形脱毛症になるほどストレスをため、退職を選ぶ女性が多いのも事実です。
育児時短や延長保育など環境整備は行われていますが、実際の現場では相手があることですから、絵に描いたように順調にはいきません。その上、イクメンとは正反対の夫と暮らしていたのでは、家庭生活か社会生活かという二者選択というところにまで追い詰められ、惜しまれながら職場を去っていく女性たちも少なくありません。よく言われることですが、結局は女性が社会で能力を発揮できるか否かは、家庭では夫次第、職場では上司次第ということになります。
 しかしこのように自分の生き方を、周りに合わせている女性ばかりではありません。私の周辺には、自立した生き方をするツワモノたちが多く存在します。帰宅が深夜になる仕事人間の夫を持つIさんも、子育てを助ける親族が近くにいないHさんも、何やかやと近所や子育てのサポーターを上手に使い3人の子育てをしました。
 この春、子どもが小学校に入学したMさんも、やはりキャリアを積み続けている女性で、仕事は企画職、管理職として週に2日は出張する生活をしています。彼女の素晴らしいところは、何といっても“常に周囲に気配りをし、その上で自分の主張はしっかり行う”というところです。キャリアウーマンの鏡のような彼女は、2人の子どもと夫の4人家族に加え、近所に住む夫のお義母さんの協力のもと、今も力強く社会でまい進を続けています。
さてそんなMさん、この頃WEBカメラを買いました。このWEBカメラは留守中の子どもたちの様子を見るもので、彼女はパソコンからの遠隔操作で、いつでも思いついた時に部屋の様子を見ることができます。そしてリビングと寝室にとりつけたWEBカメラは、子どもの様子だけではなく、夫や招かれたお客様の様子も映し出しているとのことでした。
私の感覚では「やりすぎ?」と思えるこの様子に、Mさんはとても満足していました。「○○さん(夫の名前)は、カメラを嫌がらないの?」と余計な心配をした私に彼女はこう言いました。「大丈夫。このシャツで良い?とか、カメラに向かって(夫が)話してくるから」。
家庭と仕事を両立し、現代を力強く生きる彼女たちが持っている能力は、“気配りと自分を押し出す力”、そして最新の機器を生活の中に上手に取り入れることなのかもしれません。そういう意味で私はすでに、時代遅れとなってしまいました。

代表取締役社長 竹上順子

2012年10月