たけがみじゅんこのちょっといい話

2012.09.04

たけがみじゅんこのちょっといい話:健幸生活は食事から

朝夕に吹く風で秋の始まりを感じるようになりましたね。
 秋といえば梨に柿に栗に芋、そして脂の乗った秋刀魚と、おいしいものがいっぱいです。秋の夜長ならぬ、秋の短い旬な食材で、夏バテ気味の心身をいやしたいものです。
 さて皆さんは五味、五法、五色という食材にまつわる言葉をご存じでしょうか。
 五味は「塩からい、甘い、酸っぱい、苦い、うま味(塩・甘・酸・苦・辛ともいう)」の5つの味で、五法は「焼く、煮る、揚げる、蒸す、生で食べる」の調理法、五色は「青(緑)、赤、黄、白、黒」といった食材の色です。この五味、五法、五色に旬な味をプラスして食事をすると、健康的な身体を維持できるとも言われています。
 横ばい気味の私たちの街の人口で年々増えていっているのは、60歳以上の熟年層。それを表すかのように今やスポ少ならぬ、スポ高大会が活発で、水泳、マラソン、山登りとあちこちでにぎやかです。かつて子どもが戸外で遊び、お年寄りは家で留守番というスタイルでしたが、この頃の子どもは家でゲームに興じ、おばあさんはスイミング、おじいさんは近所をマラソンで一回りという時代となりました。
骨粗鬆症などなんのそのです。こんなに元気溌剌な皆さんはどんな食事をしているのでしょう。きっと一汁三菜の野菜中心なのかな?と、尋ねてみるとお答えは意外にも、「ごはんと何か」、「パンと牛乳」、中には「昼飯はアンパン」、「ご飯は食わん」と案外いい加減な内容で、驚かされました。ただし私の知り合いの高齢者にはなぜか菓子パン好きが多く、他の方々とは違うのかもしれませんが・・・。
70代の男性は健康の基を聞かれると、テラテラした顔を一層崩して「それは怒らんこと」と言い、チャキチャキした同年代の女性は「横着しないこと」と言います。つまり健康に歳を重ねるということは、“腹をたてない、偏食しない、横着しない”という3つが大切だと二人は言っていました。
すぐにイライラして「まだなの!?」と高い声を出してみたり、朝ごはんはコーラで済ませたり、一日中パソコンばかりを眺めている私は、まだまだ若者(?)生活なのかもしれません。
てなことをくだんのテラテラした高齢先輩に言うと、「ヘッ・ヘッ・ヘッ」と笑い、「食うもんは毎日のことだけん、いつかド~ンと病になぁで。そげんなってから皆がわかぁだ」とおっしゃる。
まさにその通りかもしれません。偏食生活が長く、今やめっきり基礎代謝量が落ち込んで、気にしていた矢先のことですから、そのお言葉は胸にグサリと突き刺さり、“健康保険料、自己負担割合の増加”“深刻な病気は医療費で家計がパンク”といった言葉が、頭をすぅ~とかすめて行きました。
五味五色は無理かもしれませんが、エネルギーを上げる甘味と代謝を上げる酸味を取り込んで健幸の第一歩を踏み出したいと思います。何より元気なコツは、偏食を改め、周囲には腹を立てず、自分から進んでよく動くということのようです。

代表取締役社長 竹上順子

2012年09月