たけがみじゅんこのちょっといい話
2011.04.01
たけがみじゅんこのちょっといい話:待ちわびた春
桜の開花予想によると、今年は開花が全国的に遅れ気味のようです。
3月11日に起きた東日本大震災の2万8千人とも、3万人とも言われる死者・行方不明者、そして未だ寒い避難所生活をなさっている18万人近くの皆様を気遣って、桜も咲く時を控えているのでしょうか。
それにしてもこの度の震災では、福島原子力発電所が被災し、高濃度放射線漏れという、今までの地震災害でも経験したことのない、恐ろしい事態が起りました。
震災が起きた翌週に、私は上京しましたが、近くのスーパーやコンビニには、生もの食品や生活必需品が、ほとんどない状態で、とても困りました。そんな状態なので、電車に乗り、新宿まで買い物に出かけ、帰ってテレビを点けた途端に、「福島原発の事故の影響で、放射性物質が風に乗り、本日新宿では0.81マイクロシーベルトが観測されました」と言っているではありません。びっくり・・・被爆??
しかし、0.81マイクロシーベルトが、一体どんなものなのか分からないまま、テレビの “安全な範囲です!安全ですッ!”と、繰り返される言葉を信じ、買い物の場所を、新宿から日本橋に変えたのでした。でも、たまたま観測が新宿だったから出た数字であって、同じ都内ですので、これが日本橋に変えたからといって、そんなに違うものではありません。でも気持ちの問題ですから。
さて、そんな日が続く中、仕事から帰り、テレビを点けると、今度は「金町浄水場で、放射線ヨウ素が検出され、乳幼児には飲ませないようにしてください」と、言っているではありませんか。
ありゃぁ・・ついに水にもきたのかぁ・・・と落胆しつつも、しかし前回の“食品何も無しの”状態を体験している私は、大急ぎで、近くのドラッグストアに走りました。しかしすでに水の姿なし。ブラックコーヒーのパックが寂しげに、1本残っている有様でした。またしても私は、テレビの伝える “大人には影響ありません。浄水場の水はだんだん放射線ヨウ素の数値は低くなっています”を信じ、1人台所で、水道水を浄水ポットに入れるのでした。
桜が咲き、新しい季節の始まりを宴で祝う私たちの習慣も、今年は少し自粛ムードです。観光地や遊技場も明かりを落とし、資源の少ない私たちの国は、そのサイズにあった経済活動に入ろうとしています。
山陰では、まだ光を落とす場所や、エスカレーターが止められている所を、私は目にしていませんが、都内を歩いていると、駅でも空港でも、今まで必要以上に機器が設置されていたり、明かりが灯されていた場所が省力化されており、またそれを大きく不便に感じることはありません。今まで利便性や、広告性をアピールするあまり、必要以上にものを作り過ぎていたのかもしれません。
被災地では被災された皆様が大変なご苦労をされ、また原発被災で復興も、思うように行かず、不安な気持ちが残る中ではありますが、こんな時だからこそ、花の咲く春が来たことを喜び、新たな季節の始まりに心の向けることも必要なのではないのでしょうか。
しかし桜の木の下で、サーチライトをキラキラさせて、大酒を飲んで、マイクで意味不明の歌を歌い、踊りまわる品のない「お花見」は、今こそ、自粛しなければなりません。しないようにしましょうね。
3月11日に起きた東日本大震災の2万8千人とも、3万人とも言われる死者・行方不明者、そして未だ寒い避難所生活をなさっている18万人近くの皆様を気遣って、桜も咲く時を控えているのでしょうか。
それにしてもこの度の震災では、福島原子力発電所が被災し、高濃度放射線漏れという、今までの地震災害でも経験したことのない、恐ろしい事態が起りました。
震災が起きた翌週に、私は上京しましたが、近くのスーパーやコンビニには、生もの食品や生活必需品が、ほとんどない状態で、とても困りました。そんな状態なので、電車に乗り、新宿まで買い物に出かけ、帰ってテレビを点けた途端に、「福島原発の事故の影響で、放射性物質が風に乗り、本日新宿では0.81マイクロシーベルトが観測されました」と言っているではありません。びっくり・・・被爆??
しかし、0.81マイクロシーベルトが、一体どんなものなのか分からないまま、テレビの “安全な範囲です!安全ですッ!”と、繰り返される言葉を信じ、買い物の場所を、新宿から日本橋に変えたのでした。でも、たまたま観測が新宿だったから出た数字であって、同じ都内ですので、これが日本橋に変えたからといって、そんなに違うものではありません。でも気持ちの問題ですから。
さて、そんな日が続く中、仕事から帰り、テレビを点けると、今度は「金町浄水場で、放射線ヨウ素が検出され、乳幼児には飲ませないようにしてください」と、言っているではありませんか。
ありゃぁ・・ついに水にもきたのかぁ・・・と落胆しつつも、しかし前回の“食品何も無しの”状態を体験している私は、大急ぎで、近くのドラッグストアに走りました。しかしすでに水の姿なし。ブラックコーヒーのパックが寂しげに、1本残っている有様でした。またしても私は、テレビの伝える “大人には影響ありません。浄水場の水はだんだん放射線ヨウ素の数値は低くなっています”を信じ、1人台所で、水道水を浄水ポットに入れるのでした。
桜が咲き、新しい季節の始まりを宴で祝う私たちの習慣も、今年は少し自粛ムードです。観光地や遊技場も明かりを落とし、資源の少ない私たちの国は、そのサイズにあった経済活動に入ろうとしています。
山陰では、まだ光を落とす場所や、エスカレーターが止められている所を、私は目にしていませんが、都内を歩いていると、駅でも空港でも、今まで必要以上に機器が設置されていたり、明かりが灯されていた場所が省力化されており、またそれを大きく不便に感じることはありません。今まで利便性や、広告性をアピールするあまり、必要以上にものを作り過ぎていたのかもしれません。
被災地では被災された皆様が大変なご苦労をされ、また原発被災で復興も、思うように行かず、不安な気持ちが残る中ではありますが、こんな時だからこそ、花の咲く春が来たことを喜び、新たな季節の始まりに心の向けることも必要なのではないのでしょうか。
しかし桜の木の下で、サーチライトをキラキラさせて、大酒を飲んで、マイクで意味不明の歌を歌い、踊りまわる品のない「お花見」は、今こそ、自粛しなければなりません。しないようにしましょうね。
代表取締役社長 竹上順子
2011年04月