たけがみじゅんこのちょっといい話

2010.10.01

たけがみじゅんこのちょっといい話:暑かった夏に思うこと

“暑さ寒さも彼岸まで”とはよく言ったもので、秋のお彼岸が過ぎた途端、エアコンからは一気に開放されました。でも、今年の暑さには、もう閉口です。
 仕事で外回りをしている私の友人は、お茶はお腹にたまるからといって、連日アイスキャンディーのガリガリくんを暑さしのぎに食べ続け、まるでガリガリくん中毒のようになっていましたが、ある日突然、その人気商品が品薄という理由から、店頭から姿を消してしまいました。あまりの人気ぶりに生産が間に合わなかったということらしいのですが、私の友人は「こんな猛暑が続いているのに、生産量を読めないなんて生産指令を出す管理層の読みが甘い」と、落胆のあまりか、取引先を1~2件失ったように大げさに肩を落としていました。
 しかしその友人も気温が下がってくると、あれほど執着していたアイスキャンディーのことはすっかり忘れ、夕方にキュッと一杯飲む生ビールのため、日中の甘味系は一切控え、その上、午後3時以降の水分は、生ビールのためにとらないという徹底ぶりを今では見せています。まぁ凝り性なので仕方ないところでありますが、この人は以前りんごに執着し、青森りんご農家の「リンゴの木1本オーナー」になっていた時期もありました。
 ところで今年の猛暑は、経済活動にも様々な結果を残しました。売上を伸ばし、元気を出している会社もあれば、暑さのため売上を落し、社員の士気まで落としている会社もあります。私たちも業種が異なる十数社と年間で契約をしていますので、その状況は手にとるように分かり、行く先々で明るくなったり、暗くなったりと心中はざわざわと穏やかではありません。
V字で回復してきた取引先を紹介すると、昨年5月に大阪から広まった“豚インフルエンザ”以降、低迷してきた飲食業界は、麺類や飲料が良く売れ息を吹き返しましたし、コンビニエンスストアもデパートの不振とは裏腹に、暑さを味方にして順調に売上を伸ばしました。
このように取引先の会社経営が順調になれば、私たちもハッピーになり、取引先と二人三脚で新しい教育のチャレンジに着手することになります。
例えば、対面式の集合教育ばかりではなく、手持ちのパソコンを使ったe-ラーニングや、Webカメラを活用したOJT(仕事を行いながらの指導教育)へと、人と設備に対し資金投資が可能となり、一気に教育効果を広げていきます。ですから経済の“順調、好調”は、各社の設備投資、販売促進、福利厚生などの充実だけではなく、従業員教育の充実にもつながっていき、従業員教育に積極的な会社であることは、『これから益々伸びゆく会社』という重要な会社指標の一つなのです。
さて今年は富士山の初冠雪が、例年より6日も早かったそうです。この冬はどんな冬を迎えるのでしょうか。異常な暑さ、寒さは経済活動に大きく影響しますし、何より身体にも良くありません。私も明日から東京、広島、北海道と出張が続きます。薄手のスーツを着たり、セーターを着たり、時にはコートをはおりながら、上下する気温と同じく、変化の激しい社会環境に「柔軟な対処のできる自分づくり」を、せっせと行わなくてはなりません。

代表取締役社長 竹上順子

2010年10月