たけがみじゅんこのちょっといい話

2010.08.01

たけがみじゅんこのちょっといい話:新発想!新ビジネス!    

ストレス社会を反映してか、この頃、街を歩けば必ず目にする「マッサージサロン」の看板。 特にオフィス街は軒並み、この手の看板が角々に並び、癒しの場を提供しています。私も出張先ではその日の疲れに合わせ、足つぼ20分、上半身30分、全身60分などと使い分けて楽しんでいますが、この頃、この手の店の広がる勢いと反比例して、店のマッサージシャン(と言うかどうか不明ですが)の腕前は、以前と比べて下がったような気がしています。 
街には手軽なマッサージを受けたいとする市場の波に乗って始めた、にわか仕込みの店や、フランチャイズ店でありながら、規模が広がり過ぎ、従業員の技術指導が徹底できない店など、原因は様々、店の事情により違うのでしょうが、それにしても身体を押しながら、「力加減はご遠慮なくおっしゃってください」と言いながら、全く力の強弱が加減できない人や、凝りのつぼを微妙に外し、リラックスどころか神経をイラ立たせる人など、このようなタイプがめっきり増えてきました。私は極限まで肩こりを我慢し、首と背中をパンパンに張らせて店に入るためか、マッサージに対する期待が大きく、結果が最悪だと、入店時の何倍も背中を凝らせてしまいます。私の友人は「マッサージなんか効かないから、運動したりストレッチをする方がましよ」と言いますが、やはりマッサージは気持ち良いし、やめられません。
で私、このガッカリ感は私以外にもきっとお感じのはず、と勝手に思い込み、次のような事を考えてみました。まずガッカリ感の源は、マッサージシャンの腕前が、客である私の考えていた力量と異なっていたため起きたのですから、私は予めマッサージする従業員の技術力を知っていればガッカリ感は薄まります。ですから店は店頭で各従業員の腕前を「Aさん★3つ、Bさん★2つ、そして得意な技は○○です」と表し、お客様に見せてオーダーをとり、お客様も納得して料金を支払う。そんなシステムがあってもいいのではと思うのですが、いかがでしょうか。また、店によって“指名料は500円いただきます”と告知のある所がありますね。この指名料は人気の高い技術者に限定されていますが、このレベルも、この人ならどんな痛みも軽くできるという、相当な高技術者でなければなりませんし、そのような人は付加価値料金の設定もできます。
かつて、このマッサージの仕事をする人は、学校を出て知識と技を磨いたプロでした。免状も持っていて「鍼・灸・あんま」と看板を掲げ、取り仕切る協会に属していたように記憶をしています。先に記したマッサージシャンとは、似て非なるものですが、新型マッサージ店の進出で、プロもアマもごちゃ混ぜになり、どれが本物なのか看板だけでは分からなくなりました。だからこそ分かりやすく選びやすい店づくりを期待しているのです。
社会の変化によって新しいビジネスが生まれ、競争が激化し、そして淘汰され、その結果適正な力を持つものがいつの時代も地域に定着をしていきます。先述のマッサージ店のように、数が増え出し、競争が激化してきた今日、今がまさに差別化に向けた行動を開始する時期なのではないのでしょうか。低価格に走るのではなく、安定した技術力で経営し、技術力のつたない従業員には教育後であっても、お客様への仕上げは先輩技術者がOJTをからませながら実施する。そんな取り組みを期待しています。店のマッサージシャン全てがプロなら問題はありませんが、そうもならず、やはり経営者は現実を良く見て、その対応を考えなくてはなりません。かく言う私たちの会社もそうですね。しっかり技術を磨き、皆様の期待に応えられるように精進致します。

代表取締役社長 竹上順子

2010年08月