たけがみじゅんこのちょっといい話

2010.07.01

たけがみじゅんこのちょっといい話:公開型研修の醍醐味   

久しぶりに公開研修を大阪で行いました。公開研修というのは対象になる地域の中で公募をし、研修に興味のある人や、受講させたい会社の社員が応募をし、研修に参加をする形態の研修です。よく知られているものに商工会議所の公開型募集研修がありますね。
私は公開研修をほとんど行わないので、年一回でも毎年恒例で行われる大阪での、この公開研修をとても楽しみにしています。何しろ未だ充分に不況から脱していないと言われる大阪のこの地で、高額な受講料(1人およそ3万円)を支払い、それも丸一日、職場の要である管理職やそれに準ずる方たちが参加して行われる研修です。受講者は皆、「しっかり元は取って帰りまっせ!」という勢いが熱気と行動になって溢れかえり、今回も、最後には大盛り上がりとなって終了しました。
さて、この公開研修の参加企業ですが業種も様々で、学校教育、電気通信業、小売業、金属加工業、家電部品製造業といった耳なじみのある業種もあれば、セルフエントリーシステム提供サービス業や、試験施設支援サービス業といった、「あなたの会社は何している会社ですか」と聞かなければ分からない業種もありました。また知っているつもりのグラフィックデザインという業種も、今は仕事の進め方が変わっていて、相談から受注、納品まですべてネット上で行い、全く最後まで顔を合わすことがないまま、仕事が成立していくという会社もありました。クレーム対応も顔を見せないで行うというこの会社、業績は順調に伸びているとのこと。まずお会いして・・というスタンスの当社とは大違いでした。
ところで、「セルフエントリーシステム提供サービス業」って、どんな仕事か分かりますか?この会社は、関西の大手ガス会社が新規事業として、子会社化し立ち上げ、企業の煩雑な従業員の給料計算を一手に引き受ける会社で、名前を聞いただけでは分からない業種の1つです。また「試験施設支援サービス業」って何でしょう?こちらは成人病の特効薬の効き目を調査する会社で、認可前の試験薬をモニターに投薬し、その結果を報告することを主業務とした会社でした。たまに副作用もあるとのことですが、モニターはインターネットを介して応募できるらしいので、高血圧などの方は応募してみるのも良いかもしれません。他、造幣局は業種が金属加工業で、お金だけではなく勲章等も作っているので、貨幣以外の発注は、ぜひお受けしたいと大変意欲的でした。本当に元気いっぱい、やる気いっぱいの皆さんで、研修の中で講師からというより、互いの受講の姿勢から刺激を受け、ますますメラメラと輝きを増していかれました。
つくづく思うのですが「何をするためにここに参加をしている」という目的意識や、「この機会を生かして自分やビジネスを成長させる」。そんな意欲は、1人だけではなく複数の人を介して確認できた時、一層高まるようです。これは職場の中でも同じで、今回参加をされた皆さんは、全員が企業理念と会社の行動指針を具体的に自分の言葉で語ることのできる方々でした。このように自分が何を期待され、会社はどこに向かって進んでいるということを理解している社員が育っている会社は、不安定な環境化の中でも前に突き進んでいくことができるのでしょう。
多種多様の方に会える公開研修は、とても楽しく、また受講者同士の交流も活発で、大変有意義なものです。短いセミナーでこの達成感は味わえませんが、少し長めの公開研修を皆様も利用して、社員の教育や自社の営業活動に活かしてみるのはいかがでしょうか。

代表取締役社長 竹上順子     

2010年07月