たけがみじゅんこのちょっといい話

2010.06.01

たけがみじゅんこのちょっといい話:女性専用車両の中で・・・  

最近ではあたり前になった鉄道会社の女性専用車輌。混み合う通勤時間を男女混合車輌と女性だけ乗ることの出来る車輌に分け、痴漢被害を防止するために10列車輌全体の2両程度が、その女性専用車輌に充てられています。
痴漢被害にあうことのない私は、その時間に移動が当たっても、降車駅のエスカレーターに最も近い車輌を選ぶため、特別である女性車輌の雰囲気はよく知りませんでしたが、ついに先日、女性だけが特別に乗ることの出来る特別車輌、女性車輌に乗り合わせました。
あたり前のことですが、女性車輌は、女性ばかりがすし詰め状態で乗っています。少し違和感はあるものの、何か花のような良い匂いがしたりして、私はすこぶるこの車輌が気に入りました。
さて、私が乗った女性車輌ですが、なぜか間違えて乗ってくる男性が必ず1人、2人といるのです。私はその日、30分くらい乗っていましたが、その中で目立つ男性行動を今回はご紹介します。
まず20代~30代の男性は乗ってきません。乗ってきても女性車輌と気づき、すぐに車輌を変わっていきます。しかし40代~50代の男性は、女性車輌であることに気づかないで乗っている人が多く、忙しげに携帯電話をのぞきながら、つり革にぶら下がっていますが、その内・・・そうですね大体2駅くらい過ぎた頃でしょうか、周囲の異変に気づき、あわてて車輌を変わっていく。もっと慌てる人は電車を降りてしまいました。私の前ではそのような大慌ての男性たちの姿が繰り広げられ、気の毒とは思うものの、何か可笑しくて、ニンマリとうっすら笑いを浮かべてしまいました。
ところで男性は、女性車輌ではなくとも、女性がたくさんいる中に小人数でいることは、とても苦手のようです。例えば私たちが行っている研修の中に接客研修があります。接客の研修を実施される会社の中には、女性が会社全体の9割を占めているというところもあり、そんな会社の研修では、ぽつんと参加させられた男性が「男、俺、ひとりぃ」と悲鳴をあげ、その状況に慣れるまでに、しばしの時間を要します。特に私と同じような中年層は、「男、俺1人」が常に頭から離れず、研修ではちょっといい格好をしてみたり、こんなことは簡単さ!と相手を威嚇してみたりと、本当に大変です。
こんな事からも、女性であれ男性であれ、異性の団体の中に単身で入っていき、何かを成し遂げていくのは、最初はとっても勇気がいることです。だからこそ、大人数でいる側が、少ない人数でいる側に少しの配慮し、心配りをしていけば、いろんなことがとっても上手くいくのではないかと思うのです。
また、最初の女性専用車輌の例に戻りますが、男性の中でもぐ~んとお年を召した70代80代の男性は少し違います。女性専用ということさえ知らないかのように、やぁやぁと乗ってきて、ゆったり座り、目的駅に着いたら、ごめんよ・・と女性たちをかき分けながら降りていかれました。やはり戦前生まれは違うんだなぁ、すっかり感心した私でした。

代表取締役社長 竹上順子   

2010年06月