たけがみじゅんこのちょっといい話

2010.04.01

たけがみじゅんこのちょっといい話:コミュニケーションは「人生の勉強」     

春真っ盛りのこの4月は、職場には新しい仲間が増えたり、上司が代わったりと、何となく職場全体に落ち着かない空気が流れます。皆さんの職場はいかがですか。もう4月も半ばを過ぎているので、すっかり落ち着いてしまわれたのでしょうか。
私たちもこの時期、今年の超氷河期の就職戦線を勝ち抜いた新入社員の研修を終え、本来の業務に徐々に戻ってきています。新入社員研修にお呼びのかからない私は、他の講師の行う新入社員研修のスタンバイ用員としてオフィスの席を暖めていましたが、やっと出張許可もおり、保留していた仕事に出かけられるようになりました。
仕事柄、出張が多く全国あちこちと出かけていますが、今やリクルートスーツに身を包み就職活動に汗している姿を見ない時期はなくなりました。それほど年がら年中、就職活動中の学生さんたちがあふれています。聞くところによれば、今年の就職活動が上手くいかず、そのため留年して大学に残り、来年度の採用に向けて活動をしている人も多いとか・・・不況と言われる中、絞らなければならない人件費のしわ寄せが、若い芽を直撃しているのでしょう。またこの1~2年、新卒優先採用の傾向が一層高まったという影響が、就職が出来なければ留年してでも新卒者としての顔を維持するという学生側の考えもあり、そのような現象が起きているのだと思います。
しかし就職活動の学生たち、皆同じような顔に見えるのは服装だけのせいでしょうか。電車の中で出向く会社のプロフィールを頭に叩き込んでいる様子の学生たちの顔立ちは、私には皆、同じように見えるのです。私の知り合いの採用担当者たちも、この頃はこんな事をよく言います。「“利発な女子に、線の細い男子”、面接名簿の名前一覧に合否の○をつけてみたら、みんな女子だった。バランスよく採用したいんだけどねぇ」・・・まあこの頃よく言われる肉食系女子と草食系男子という形容が、すっぽりとこの場合にもはまっているんですね。
そのようなことをぼんやり考えながら、電車の隣の席に目をやると、片手に携帯電話でメールを打ち、片手で就活鞄をしっかり持った女子学生がいました。そこで私、「ちょっと、携帯電話やパソコンばかりでコミュニケーションしてても、相手の心を動かすような自己PRはできないのよッ!」と、彼女に心の声で言いました。同じような服装で同じような語尾を伸ばす話し方。インターネットで調べた、にわか会社情報を片手に試験を受けても「無理じゃないの!?」とも思います。
新入社員研修では、どの会社も接遇以前の“しつけ”を求められます。仕事は覚えても職場では対人面の力も求められますから、その対人面での基礎となるしつけが不完全では、良い仕事ができる人になれないのです。仕事が済んだら挨拶もせずスゥ~と消える、そんな人は困りますね。そのためは就職活動に入る前のアルバイトの時、友達以外の異なる年代の人たちとたっぷりコミュニケーションをとる練習をしておくことが大切です。
そうすれば同じ服装をしていても、面接で対面した時に「皆と同じ印象だよ」とは思わせなくなります。自己PRを成功させるためにも、アルバイト時期が勝負です。そこで働く社員以上に力をつけるンだという気持ちで、しっかりと叱られてください。

代表取締役社長 竹上順子

2010年04月