たけがみじゅんこのちょっといい話

2009.10.28

たけがみじゅんこのちょっといい話:組織のこころ・・・企業理念

 「企業理念を教えてください」「えっ、うちって企業理念ってあったか?・・・ガヤガヤガヤガヤ・・・」「ああ、あれかぁ」「違うぞ、それは前期のスローガンだろ」と、まあこのようなやり取りで始まった管理職研修。皆さんは一体、どのような会社の研修だと思われますか?
 グループ年商2000億円、グループ傘下企業18社、従業員総数4000名の大会社の親会社での研修風景です。この会社、決して業績は悪くなく、この不況下において、健全な経営と、増収増益の事業展開を行っている優良会社なのです。管理職も前向き、かつ優秀で、飲みこみも早く、行動力も備わったすばらしい会社です。ですが、なぜか企業理念は各々の心の中にあり、「言葉として示してほしい」と言うと、言葉にならず、モゴモゴと今までの優秀さがぐっと、影をひそめてしまいます。果たしてこのような状況でよいのでしょうか?
 国内には企業理念を、巻紙にしたり、歌にして歌ったり、唱えたりと様々な方法で組織の目指すところを明確にして社員の心を一つにしている会社が多くあります。そのような取り組みをしても社員の心をまとめられないのに、前述の会社は企業理念が曖昧で正確に表面化していないにもかかわらず、好調なのです。
 しかし、皆さん、私は企業理念は、家訓のようなものだと思うのです。ひいじいさんが創った家訓は、じいさん・ばあさんには生きた形として引き継がれ、父さんには言い聴かされ、母さんは父さんから行事の端々で語られ、家族に染み渡ってゆく・・・それが、家訓というものですね。会社にも同じように企業理念があります。新しく入社してきた社員を一人前の社会人として、また会社の一員として“心と技”を育てるために、必要なものだと思っております。
 ですから、この好調な会社も管理職の心の中に秘められている「熱く受け継がれてきたお客様への想い・仕事への想い・社員への想い・地域社会への想い」をしっかりと明文化することで、更に強くなるのではないだろうかと思ってしまいました。
 私も人から「はっきりモノを言いすぎ」と注意され、この頃自身を律しているところでしたが、それでも控えめに「企業理念はあったほうが、若い方も目指すことが明確になるので、いいですよねえ」と言っておきました。
 皆様の会社は、企業理念、ミッションはありますか?もし心の中だけにあるのなら、形にして、皆に発表していきましょう。当社の企業理念はありますが、すごく長く、お取引先の方へは、ハガキでお渡ししています。それでも、僭越ながら最初の一行だけを書いてみます。
『Cred(クレド)  We’ll move into action For you・・・
変化する時代の中にあっても、 不変である“心の豊かさの実感” と“成長できる喜び”を、私どもは仕事を通じて実現していきます。』
なに、それ!と思われたでしょう?本当はこれからが大切なことが書かれておりますので、希望される方には、おハガキでお送り致します。
最後に・・やはり、絶対“会社はこうあるべき”とした考え方を明文化することは、とても大切です。

代表取締役社長 竹上順子

2009年10月