たけがみじゅんこのちょっといい話

2009.09.28

たけがみじゅんこのちょっといい話:マナーは品格

今は様々な業種で色々な社員教育に係わる仕事をさせていただいていますが、最近は「品格」という言葉と共に、ビジネスマナーや宴席マナーを希望される会社が多くなってきました。ビジネスマナーというと、新入社員の時に形式的に学び、その後は実践で身につけるといったものですが、「品格」ともなると、名刺のやりとりはもとより、お土産を渡すタイミング、宴席での会話の仕切りなど決して簡単なことではありません。
先日知り合いが最近体験した、宴席時のマナーの悪さを話をしてくれました。相手は取引先の若手社員で、応接室や会議室では折り目正しく大変好感を持っていたようなのですが、いざ「昼食でも・・」と誘い、食事を始めると、箸の持ち方はおかしい、固形の食べ物はほとんど箸で刺して食べる、更に気になったのは食べる音。ベチャベチャ、クチャクチャは対面している若者が話す言葉より気になったと言います。
気にしない人は全く失礼とは感じず、気にする人はとことん気になるというものがマナーと言えるでしょう。 
という私たちの会社もビジネスマナーを教えている会社ですから、当然、勤めている人たちもマナーがしっかり身についていると思われていると思います。そのため、社内の教育訓練は入社一日目から厳しい特訓が続きます。指が揃っていない、声が低い!ソの音で声を出す、お茶を出すタイミングが遅い・・等。そんな毎日に入社2週間で辞めていく人も数多く、この頃は入社する際の試験をグンと難しくして、その上、入社初日から箸の上げ下げまでガンガンに鍛えますと脅した上で、それでも入社したいですか?と聞いている始末です。しかしそんな耐久組の中にも意表をつく人もいて、相手の名前を聞くとき「どちら様でしょうか」や「お名前をお聞かせいただけますか」というところ、「恐れ入りますが、何様ですか」と聞いて、先輩に後ろから殴られる。そんな人もまぎれています。教育してすっかりできていると思っていたのに、できていると思っても気を許すと何が起こるかわかりません。
かくいう私も新入社員時代には、かなりマナーに関してというより、社会性についてかなり怪しい社員でした。それは上司宛の電話を受けた時のこと。仲の良い他部署の友人が通りかかり、電話中の私にこともあろうかウインクをして通り過ぎたため、驚いた私は電話でヘロヘロとなり、何度も名前を聞き返し、最後には「他の人に代われ」とお客様を怒らせてしまいました。その時の私はヘロヘロ以外にも、お客様の名前がどうしても「タワシ様」としか聞こえず「タワシィ?」と復唱してしまったのも良くなかったのです。これはマナー講師を志すずっと前の若~い頃の話です。
こんな風に失敗をしながら、また周囲から教えてもらいながら成長をしていくのですが、この頃は問題があっても指摘しない上司も多いそうですね。それは自分がかわいいからでしょうか。それとも自信がないからでしょうか。もし、自信がないのなら、迷わず私のところに電話を入れてください。しっかり喝をいれ、自信をつけさせてあげたいと思います。

代表取締役社長 竹上順子

2009年09月