たけがみじゅんこのちょっといい話

2009.08.27

作文は難しい!

私どもの研修教育の中には、接遇向上・職場マネジメント習得・営業力強化などのたくさんの分野がありますが、昨年秋ごろから接遇研修の一環で、ビジネス文書・書類の書き方マナーの研修が増えてきました。
研修時間内で行う場合もあり、宿題として提出する場合もあり、はたまた内定者向けに通信教育の中で行う場合さえあります。
そこで文章を拝見すると、ぱっと目を引くのが、小学校の頃に習った文章ルールで成り立っていないことが多くあります。
ワースト3は・・・①文末は記載枠の中で、自分の好きなタイミングで改行をする
②段落の区切りがない
③体言どめが多い(~という気持ち。など)
こういったルールは、小学校の作文や感想文を書く時に先生からイヤというほど添削をされて、放課後に教室に残って、書き直しをしたことがある者としては、その頃の嫌な感じを思い出させてくれます。
また、内容でいえば、長文が多く、書いている最中に色々なことを思い巡らすためか、最初に言っていることと、最後の締めの文とが食い違っており、何を言いたい文章なのかが分からないといったことも頻繁にあります。きっと読み直して修正するなどという気持ちがないのだろうなと、書いた状態を推測して脱力する反面、こんな文章で良しとして提出する姿勢に多少の苛立ちを感じることもあります。
 文章は、その方の本来の姿を映し出すと思うことはよくあります。会社や職場への不満がある方は、文章も牽制的であったり、攻撃的な単語をつかいますし、比較的、感動や、自分の気持ちに響くものが薄い方(受けとめが弱いか方)は、感想文などムリして書こうとすると、事実なのか感想なのか読み手が分からないことを延々と書かれることもあります。
 友達同士の気軽な連絡がメールで簡単にできる世の中ですので、端的な表現は皆さんお上手です。体言どめが多い文章もブログの影響かと思われます。簡単に文字を操るという意味では、メールも有効です。ですが、ビジネスメールや文書では、ルールに則った“見易さ”“統一されたフォーマットへの安心感”が第一です。
 良い文章をインプットするためには、良い文章を沢山読むことだと思い、秋の夜長に虫の音を聞きながら、向田邦子氏の本など読んでみようかなと思いつつ、「30分で作れる晩御飯」をペラペラとめくっています。

inproコラム編集局:インストラクターA

2009年08月