たけがみじゅんこのちょっといい話

2007.09.01

クールビズとウォームビズ

“クールビズ”という言葉もすっかり定着し、暑い時期のノーネクタイ・軽装のビジネスマン、ビジネスウーマンの姿も見慣れました。地球温暖化ストップから始まったこの取り組みは、最初にテレビで官僚がノーネクタイ姿で現れた時には、違和感を感じたものですが、慣れとは怖いもので今は全くそれを感じることがなくなりました。
しかし、このクールビズを逆手にとって、リラックスした服装で仕事をしている会社もありました。社内に入ると、ひんやりとしており、打ち合わせのため席に着くと5分もすると足の先が冷たくなるほどです。でも担当の男性は、ノーネクタイでシャツのボタンは上から2つ目まで外し、腕まくりをして「やあ、うちもクールビズですからあ」と扇子を扇ぎながら、カラッと笑っていらっしゃいます。そして、打ち合わせの部屋の片隅にはポスターが貼ってあり、『環境にやさしい職場 28』と書いてあります。その担当の方の笑顔を横目に「う~ん」と考え込んでしまいました。
反対に官公庁の施設は室温が28度に設定されており、例外はほとんどありません。例外というと、私どもが行う研修会では、ロールプレイを用いた演習が多くなるため、気をつかっていただき、少しだけ温度を調整してくださっているようです。
ですので、この時期官公庁のどの施設も「暑い」です。住民の方々からこの施設内の暑さにクレームも届くそうですが、「環境のため、また税金をムダにしないための取り組みですから」とお願いをしていると聞きました。
クールビズを「暑さを乗り気きる軽装」と捉えるか「地球にやさしいエコ行動」と取るのかによって、その方の言動も違ってきているようです。
これからの時季は“ウォームビズ”で、暖房を減らし寒さを乗り切る服装となります。昨年は、この名を借りて、厚手のフィッシャマンズセーターを着ている受付対応の男性や、職場でロングブーツを履く女性の姿もありました。今年の冬は、ウォームビズの名の下にどのようなスタイルが現れてくるのかと少し興味を持っているところでもあります。
モノゴトの捉え方を間違うことで、周囲への信頼感を失うことにもなりかねないなと、研修の中でつかう「身だしなみの基準」のページを見直ししているところです。

inpro コラム編集局 : インストラターA

2007年09月