たけがみじゅんこのちょっといい話

2007.07.01

マニュアルを大切にして「脱マニュアル」しましょう

先日、数年に渡ってセミナーの依頼をいただいている大学の就職活動及び面接対策のセミナーにおじゃましました。
ここ数年、うかがうたびに学生の皆様の受講姿勢は、意欲的になっており、就職すること・社会に出ることへの真剣さが増しているということを肌で感じる機会となっています。
セミナー終了後に10 分程度の質疑応答の時間をとっていましたが、質問も予想以上に多く手が挙がり、終了時間を15 分もオーバーすることとなったほどです。
挙がってくる質問も、 「茶髪はダメだと本に書いてあったが、真っ黒にしなければダメなのか」
「スーツはパンツスーツを買ったが(女性)スカートのほうが良いと聞いた。買い換えなければいけないのか」「暑い時に上着を着ずに手に持って訪問してもよいか」など、面接対策本には載っていない細かな質問が矢継ぎ早に挙がりました。反面、マニュアル本をしっかり読んで用意をしている真面目さもうかがえました。
その質問の中で気になったものがありました。女性でしたが「私はショートヘアですが、本には、 “髪はまとめる”とか“髪は束ねる”と買いてありますが、女性の場合、長い髪でないといけないのでしょうか?」と困ったような表情での質問でした。
もちろん、それは長い髪の場合のポイントですから、伸ばす必要はありませんよと回答したところ、ホッとした表情に変わりました。

ですが、このように全てマニュアル通りに(言い換えれば“言いなり”)にしなければならないとする意識は考えものです。面接は社会人として、ビジネスパートナーとして受け入れていただけるかどうかを見極められる場ですので、常識的な身だしなみや言動は必要です。ですが自分を隠し、全てを相手に合わせてその場限りを取り繕うような方が、社会で成功と失敗とを繰り返しながら自分の力を高めていくことができるのだろうかと思います。

対策本やセミナーは基本を分かるためのものです。社会に出て生きていくのは自分ですので、「自分の良さ」をそこにプラスして相手に届けることのできる表現で、社会人への扉を大きくノックしていただきたいと切に感じました。

inpro コラム編集局 : インストラターB

2007年07月