たけがみじゅんこのちょっといい話

2007.05.01

期待は大きく・希望も大きく !

羽田空港に向う電車の中、隣に座った二人連れは1 ケ月に渡った新入社員の集合研修があけ帰路につく途中らしく、今年入社の後輩たちの様子を一生懸命話していました。
何となく聞こえてくる話しから、入社5 ~6 年経った彼らは、新人研修のために召集され、新人たちの取りまとめ役として地方都市から東京近郊の研修施設に集められたとのこと。二人は自分たちの新人時代と比較しながら、これから自分たちの部署に配属されてくる新人たちをどのように教育するかを熱心に議論していました。
二人の話によれば、「うちの今年の新人は少しゆるい」らしく、かなり厳しく社会のことを教えなければならないということでした。まずは返事が遅く、声が小さい。廊下いっぱいで歩き、行動がとろい。特に気になるのは、注意しても監視されていないところでは自由奔放でだらしなく、自分たちの新入社員時代とは比べ物にならないほどゆるく、これでは職場に配属されてからが大変だということでした。

そんな話を聞きながら思い出したのは、4 月の2 週目ごろ、ビジネススーツに身を包んだ新入社員らしい若者が、電車の中で友人に言っていたこんな一言です。「今日まではマナー系だったから少し力を抜いていたけど、来週からは会社の上司が講師で出てくるので、しっかり頑張らなければならないなぁ」・・・!
団塊世代の大量退職の時代を向え、昨年あたりから増えてきた新規採用は、学生たちにとって、やっと開かれたバラ色の時です。超氷河期と言われた2 ~3 年前を思えば、めぐりきたこのチャンスはしっかりものにし、自己アピールも無駄なく行い、自分の力を伸ばしたい。そして早く自分を覚えてもらいたい。そんな一心で上司の前では必要以上に頑張る自分を作り、反動で他の時間はゆるんでしまった。そんな結果ではなかったのでしょうか。一方先輩の社員は長く採用を控えられ、やっと迎えた後輩たちに何年分も期待をかけ、並々ならぬ思いで激を飛ばした結果、「うるさいやつ」とうとんじられた。期待が大きかっただけに落胆も大きく、そんな気持ちが、ゆるいやつの言葉に表されてしまったのでしょう。

お互いに想いが強いだけに相手に求める気持ちが強く、そして疲れてしまう・・・「早くいつもの自分のペースを取り戻し、協力し合えるパートナーになれますように!」全く関係ない私ですが、袖すりあうも何かの縁、勝手ながらそんな想いを強くした春の1 日でした。

inpro コラム編集局 : インストラターA

2007年05月