たけがみじゅんこのちょっといい話

2006.11.01

文明の利器

近頃の私どもで実施するセミナーでは、パワーポイントを使って行うことが多くなってきました。
このパワーポイントは、ご存知のように、スクリーンに伝えたい講義内容を映し、手元のパソコンで操作をしながら順を追って講義を進めていくものです。

私どもの研修で使うときには、このパワーポイントの中に、研修内で実施するトレーニングのポイントを落とし込み、パワーポイントの『デジタル』な部分と、講師が見本で見せて行うといった『アナログ』部分を混ぜ合わせながら、行っていきます。
このことで、テンポよく、また分かりやすい研修を実施することができます。
先日、ある地域での公開型セミナー(色々な会社の方々が一同に会して行うセミナー)でも、このパワーポイントを使って進めてまいりました。そのときの受講された方の反応は、講師が言うには「真剣に捉えていらっしゃるようであったが、反応が薄かった」との報告でした。
早速、そのセミナーを受講した以前から当社の教育をよく知る方に聞いてみると、「パワーポイントに圧倒されて最初のあたりは、みんながポカ~ンとしていた」とのことでした。今まで受講された形体にパワーポイントを使うものがなかったために、“文明の利器”にびっくりしたとのことでした。よって、最初のあたりは、パワーポイントそのものに目が行ってしまい、気持ちの導入がすんなり行かなかったのかもしれないとのことでした。
この言葉に、なるほど・・と思ったのと同時に、受講される側の立場をよく考慮した上での資料作成とすべきだったかなと思いました。最新の情報と、具体的なアドバイスを喜んでいただいている弊社の教育ですが、こちらの“よかれ”が、相手の“期待”と一致しているかをもっと深く考えるべきであると思いました。ちなみにこのセミナーの受講された方の反応の薄さは、『お土地柄(すぐに感情を表現するのが苦手)』も手伝っていたということも判明しました。

色々な方に高品質な教育を受けていただきたいという思いはありますが、伝える側の表現の仕方を変えることも大切なことと改めて感じる事例でした。

inpro コラム編集局 : インストラターA

2006年11月