たけがみじゅんこのちょっといい話

2020.10.01

和室のマナー

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は和室のマナーについてのご質問です。

【ご質問】
私は営業職で個人宅への訪問もあります。和室で打ち合せをする場合もあるのですが、自宅にも和室がなく、どのように立ち振る舞ったらよいのかが分からないことも多くあります。例えば、座る位置や座布団の扱いです。和室特有のマナーを教えてください。

【回 答】
大きな違いは、洋室は立ち上がった応対、和室は座った応対です。大きな身振りをせず、訪問先の方の案内・おすすめに従って動きます。

オフィスフロアのテーブルとイスでの応対が多い今、和室での応対は馴染みがなく、自分の所作も合っているのか、間違っているのかが分からなくなりますね。訪問する時の和室と洋室での立ち居振る舞いの一番大きな違いは、靴を履いて立って行うか、靴を脱ぎ、座って行うのかの違いです。

訪問した場合、玄関から順にポイントを追っていくと、
①たたきに上がる時は、たたきに向かって上がり(入船スタイル)、上がった後にかがんで自分
の靴を玄関(外)向きに変える(出船スタイル)。
※たたきに上がる時に奥にお尻を向け、出船スタイルにしながら上がるのはNGです。
②スリッパはすすめられてから使う。すすめられなかったら、「失礼致します」と言って履く。
③和室に通されたら、座布団を外して下座(床の間より遠いところ又は入口に近いところ)に
正座する。座布団のある席をすすめられたらできるだけ立ち上がらず、膝行(両手をグーに
して膝横に置き、膝を滑らせるように)で、座布団に乗る。
 ④和室内の全てのあいさつは座礼で行う。
 ⑤辞去する際は、座布団を外して(自分が座布団の横や後ろにずれ)あいさつをする
 ⑥歩幅は小さく、敷居は踏まない。畳のフチはできるだけ踏まない。

和室は座る文化のため、オフィスフロアとは違う折り目正しさの表現が必要です。恐る恐る縮こまった動作は自信のなさとして映ってしまいますので、座ってからのやりとりでは、背筋を伸ばし、しっかりと相手を見て、伝える内容に合った言葉づかいと表情で場をわきまえた表現で応対します。この部分は、和室も洋室も同じですね。

代表取締役社長 竹上順子

2020年10月